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  「いいですか、今から重要な事を言うので良く聴いて下さいね。
  あのですね、ゲームのやり方というのは、死んで覚えるものなんですよ」
  ――幻想再帰のアリュージョニスト   

映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」を見た

画面に映る料理がきれいだったり美味しそうだったりするけれど、作品自体は凡庸。ただ、琴線に触れた点も。

 

王道の要素と展開――シェフの冴えた腕、厨房の仲間との活気あるやり取り、元妻や息子とのすれ違い、評論家ブロガーの来襲、売れ線ではあるが独創性のない料理を推す経営者との確執、Twitterについての無理解からの炎上、栄光と挫折、そこからの復活をきっちりなぞってはみ出すことのない作品。

 

ただ一つ心を惹かれたのは、主人公シェフのおかげでスーシェフにまでなれたという男が、転落した主人公に対して、再びシェフになったらそこへ駆けつけるという社交辞令とも思われる言葉を守って、フードトラックの準備に悪戦苦闘中の主人公のもとへ遠くフロリダまで馳せ参じるところ。英語の諺にいうfriend in need is a friend indeedだ。これも王道といえば王道なのだろうけど、これだけが刺さった。予想が裏切られたのと、そういう友情が好きだからかなあ。