「いいですか、今から重要な事を言うので良く聴いて下さいね。
  あのですね、ゲームのやり方というのは、死んで覚えるものなんですよ」
  ――幻想再帰のアリュージョニスト   

マッテオ・モッテルリーニ「世界は感情で動く」


世界は感情で動く : 行動経済学からみる脳のトラップ

世界は感情で動く : 行動経済学からみる脳のトラップ


・やや退屈。
・前訳書「経済は感情で動く」の第三章にあった脳神経についての解説部分を除いて、(経済)合理性の歪みについての各論的トピックを増量したような本。
・合理性の歪みについての踏み込んだ解説、考察が少ないため退屈だった。既知の話ばかりではなく、興味を引く題材もあったのに料理不足だ。
・感染者問題について、これまでに読んだ解説とやや異なる解説があり、より理解が進んだ。
・画面の中で白チームと黒チームがバスケットボールをパスする、白チームがパスをした回数を憶えておいてくださいという実験をすると、実験の途中でゴリラの着ぐるみを着た人が画面に目立つように現れても大多数の人は気づかない。白チームに注目するばかりに起こる注意力の欠如。
・平均50万ドルの宝くじを当てた22人の当選一年後の主観的幸福度は、電話帳から無作為抽出した22人のそれと同じ。逆に、交通事故で手や足が不自由になった人の一年後の主観的幸福度も同じ。
キューバ侵攻とフォールス・コンセンサス効果。ケネディ政権のベストアンドブライテストたちも空気を読んで反対できなかったのか。空気を読むというのは特殊日本的なことではないのだろうか。程度の問題だろう。
「予想通り不合理」にはアメリカ人はバーで友人と異なる銘柄のビールを選ぼうとし、香港人は同じ銘柄のビールを選ぼうとするという話があった。
・平均的な親Aと長所と短所がある親Bがいた場合、「どちらに子供を預けたいですか?」と聞くと長所に注目して親Bを選ぶ人が多く、「どちらに子供を預けたくないですか?」と聞くと短所に注目して親Bを忌避する人が多い。
現状維持バイアス(おそらく損失回避性が要因の一つ)は臓器移植の選択の場合にも働く。移植がデフォルトの国と移植拒否がデフォルトの国。